なかの住宅センター
施工事例

光と風の通る家
■施主:間下  庄一氏
■ハウスドクター:栗原  一英(田村慎一級建築士事務所中野デザイン室)
ポイント
商店街の店舗兼住宅、課題は風通しと明るさの確保でした。
  施主である間下さんは、コンフォート・シュー・アドバイザーという肩書きを持つ靴屋さん。 その分野の先駆けとして、有名な方です。

宮内庁御用達の注文靴の職人としての経験を生かし、靴が原因で起こる外反母趾などの障害に悩む人を救ってきた彼の功績は、 なんと「間下庄一の世界」として小学館発行のマンガにまでなっています。

シュークリニック 靴のマシモ:
http://homepage2.nifty.com/kutunomashimo/

  そんな間下さんの住居兼ショップを新築するのだから、 細部にまで徹底的にこだわった家づくりが要求されるのは当たり前。 こちらも「癒しの家づくり」のプロとして、間下さんの期待にこたえるべく、 まずは、さまざまな角度から調査・研究を始めました。


ポイント

施主の要望は大きく6つ。工法や素材も徹底的にこだわりました。
 1) 敷地が狭いので、できるだけ有効活用したい。
 2) 商店街なので周囲はビルが多く、どうしても薄暗く、風通しが悪い、それをなんとかしてほしい。
 3) 部屋の中の梁や柱が気にならないようにしてほしい。
 4) 天井をなるべく高くしたい。
 5) 住宅部分は体にやさしい素材や色を考えてください。
 6) 収納もできれば多い方がいい。
それに対し、私たちハウスドクターとして、さまざまな提案をし、
最終的に次のような解決方法を実現しました。
 1) 商店街の店舗という間口の狭い立地条件において、 隣地との距離は西側12cm(隣地空地20cm借)東側で17cm、南側で10cm(隣地空地90cm借)を試行錯誤の結果実現。
 2) 階段の踏み板は両側をグレーチング(写真参照)とし、 真ん中にカーペットを巻いたパネルをはめ込みました。また踏み板は1枚1枚独立して外周壁に取り付けることで省スペースを実現。 さらに階段室天井に電動排煙トップライトを取り付けることによって光と風を自由に取り入れられるようになった。 また、部分的に吹き抜け天井を作ったり、小さな出っ張りや引っ込み部分を作ることによって風の流れや光の入り方に変化をもたせた。
 3) ラーメン構造の梁、柱を樽のたがのように偏平型、 ほぼ同一寸法で納めることで室内空間を広く使えるように。
 4) ダクトを周囲に納めたり、ツインタイプを使ったりすることによって天井の部分は配線スペースのみにし、高さを確保。
 5) 床材は、足にやさしく素足で歩き回れる厚さ37mmの無垢のフローリング。 畳は足に引っかからないよう縁なしとし、 壁、天井(和室以外)は珪藻土塗りとし、空気の浄化と脱臭、湿度の保持を考慮。
 6) 収納はの家具の選び方も含め、天袋や地袋、ちょっとしたスペースを最大限に活用。
では、次にその完成までの工程をご紹介します。
  ■基礎工事段階
スペースの関係で、資材置場の確保が難しいため、 躯体工事の工程を分けて必要な資材だけを搬入し、じっくりと作業を進めました。

※躯体工事
建築工事における主要構造部分に対する工事の総称。
鉄骨工事、型枠工事、鉄筋工事、コンクリート工事などが含まれる。
1階のフロア部分にコンクリートを流し込んだ様子。
すでに人が入っていますので、流し込みから数日が経っています。
手前に見える床から出ている丸い筒状のものは、さまざまな配管です。
壁型枠および壁が立ち上がりました。
家づくりが、いよいよ本格的にスタートする段階です。


  ■階段の工事風景
風と光を取り入れるための階段を上から見下ろした様子です。
踏み板以外は、なるべく風と光を遮らずに圧迫感をなくす工夫をしています。
今度は、下から上を見上げた様子です。
踏み板は外周壁にアンカー(ボルト)で、直接取付けられていますので、らせん階段独特の真ん中の柱が必要ありません。
完成した階段の様子です。
らせん階段特有の真ん中の柱を作らなかったので、将来、お店を拡張した際、簡単にエレベータを導入することも可能です。 強度も全く問題はありません。


  ■天井の工事風景
五角形の窓を採用することで、 通常の窓とは違った光の入り方を演出しています。
五角形の窓の対面にも、風の通り窓を配置しています。
これにより、空気の流れが変わり、さまざまな風の流れ方を演出することができるようになります。
部屋から屋上にも出入りでき、防災上優れた変型屋根になっています。
五角形の窓を採用したもう一つの理由として、 雨樋と効果的に組合せ、商店街に面した側に直接、雪や雨が落下しないように、配慮してあります。


  ■柱と梁の構造
建物の2階部分です。
ラーメン構造の部分は、柱と梁が扁平になっています。

※ラーメン構造
柱と梁を剛に接合して、一体に造る構造の事
1階の店舗部分の構造です。
通常であれば、エアコンのダクトの厚み分天井が下がってしまうところを両側に分けて配置することで、 真ん中の天井の高さを確保しました。
右側の白く見える壁はパネルになっています。 理由は近い将来確実に増築を予定しているとのことだったので、その時に簡単に外せるように配慮しました。


  ■完成後の室内の様子
完成した五角形の窓部分です。 ブラケットライトを配置してあるので、夜、商店街側から見上げるととてもきれいです。
先に述べたパネル部分は、 このような壁に仕上がりました。壁材として珪藻土など、体にもやさしい自然の素材を選んだ結果、 ご覧のように柔らかな光が室内にあふれるという効果が得られました。
左側の障子は、避難用のベランダに通じています。 右側の障子の先は出窓となっており、小さなスペースに植木鉢などが置けるようになっています。


  ■間下邸基礎データ
●建築地:東京都
●用途地域:近隣商業地域・防火地域
●建ぺい率:80%〜100%    容積率:300%
●高度地区:第3種高度地区
●敷地面積:59.57m
2
●構造種別:鉄筋コンクリート・ラーメン構造+壁構造
●規模:地上3階建、塔屋1階
●抗地業:現場打ち、先端羽付鋼管抗
●各高さ:最高の高さ9.975m  同軒高8.45m  同塔屋までの高さ11.4m
●面積:建築面積59.67m
2(15.32坪)
●延べ床面積:154.96m
2(49.86坪)
●建ぺい率:85.05%<100%    容積率:260.13%<300%
●各階面積:ペントハウス5.97m
2 /3階49.16m2 /2階49.16m2 /1階50.67m2
    合計:154.96m2




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