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■第6回 頭隠して尻隠さず、ばれた仮病
 イヌはヒトと同じように様々な心の病気に罹ります。 心の病気は重くなれば自覚症状を感じなくなるくらい、深く症状が進行します。アルプスの少女に出てくるクララをご存知でしょう。 クララは歩けるのに心の問題で無意識のうちに自分は歩けないと思い込んでいるのです。 ゴールデンのビットちゃんは、イヌ同士で遊んでいる時足をくじいてしまいました。 奥さんは、これは大変とあの重いビットちゃんを抱いて家に帰ったそうです。 まさに『母は強し』です。しばらくは、家族みんなから気を使ってもらっていたビットちゃん。

 ある時、ご夫人同士が話しこんでいる間にそばにいたはずのビットちゃんが、広場で他のイヌと走り回っているではありませんか。 奥さんは、『ビット!』と叫んで呼び寄せました。奥さんの姿を見た途端、ビットちゃん足を引きずり近寄ってきました。もうバレバレです。 ビットちゃん、足をけがしていた間相当良い思いをしていたのでしょう。みんなからチヤホヤされ、一身に関心を浴びていたんでしょうね。

 いつもは比較的じゃけんに扱われていたり、厳しいしつけをされている反面、 イヌ自身は飼い主への強い愛着や依存心さらに強い不安傾向を持っているといったアンビバレント(相矛盾した感情)な要因および葛藤状態が、 ストレスを引き起こしてこのような仮病に罹ってしまうことがあります。 ばれるウソは時には笑えますが、心の奥底に潜む自覚できないウソはイヌにも辛いものです。

 この症状が進行したのが神経性歩行障害です。
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