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■第5回 皇帝の名に似合わぬノミの心臓
 よく金魚のフンみたいにといわれるように、いつもご主人様の後を追っているワンちゃんがいますよね。 トイレに入れば出るまでドアの外で待っていたり、帰宅するまで玄関でじっと待っているイヌ。けなげで忠実なと思うヒトもいるかもしれません。

 しかし、このような行動が極端になって、出かける時はキャンキャン騒ぎ、留守中に物を壊したり、おしっこやウンチを漏らしたり、 こういった症状は分離不安と言います。イヌと飼い主の互いの依存関係が強すぎたりしますと、 イヌは飼い主が出かける時に、自分はまるで見捨てられたような感情を持ち、 飼い主の方も『おりこうで留守番してね』とかえってイヌを不安にするような声かけをします。 カイザー(皇帝)君も同じような症状(吠える・ドアをかきむしる・多量のよだれなど)で相談にみえました。

 手続き的には前回同様に系統的脱感作法を用いました。最初は不安の低い段階・場面で通常と同じ安定した行動がとれるまで慣らし、 徐々に不安の高い場面へとステップ・アップしていく手続きです。 平行して家族のイヌに対する行動(家庭での行動調整、外出時の行動調整、帰宅時の行動調整)を行動療法的手続きで変容していきます。 さらに、塩酸クロミプラミンという脳内伝達物質のセロトニン(不安に影響を及ぼす)に作用する薬を補助剤として使いました。 おかげさまでカイザー君、ノミの心臓からようやくイヌの心臓まで回復。
と言っても小型犬レベルですが。実はワイマラナーという大型犬種なのです。
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