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■第12回 安楽死について
苦痛を訴え余命いくばくもないであろう動物を目の前にした時、私も「安楽死」を選択肢の一つに入れてしまうでしょう。 しかし、動物にまだ生きる意欲が残っているにも関わらず、飼い主が「もう、苦しむ姿を見たくありません。」 という言葉を口にした時、その言葉の裏に世話が大変だとか、治療費がかさむという飼い主側の都合が見えてしまうことがあります。 一体誰のための「安楽死」なのか悩んでしまう一瞬です。
獣医師にとって、動物を安楽に殺すことなど、いとまのないことです。ほんの数秒で、今まで生きていた動物を死屍にすることも可能なのです。 しかし、一度殺してしまった動物を生かすことは、全く不可能です。
一方、今の医療では苦痛を和らげることも可能です。私の患者さんの中には、ほとんど寝たきり状態でも、 残された日々を健やかに過ごしている老犬・老猫達がおります。死線を越えて復活した動物も沢山います。
病状が回復して安定すれば、あの時殺さなくて良かったと思うこともあるでしょう。 ペットの天寿をまっとうさせてあげることも、我々獣医師と飼い主の皆様の使命なのではないでしょうか。
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