どういうワケか猫好きの回りには猫好きが集まり、犬好きには犬好きが寄ってくる。人間世界のことだ。
で、犬好きの人間はほぼ間違いなく犬の方でもそれを察知するらしく、喜び勇んですり寄ってくる光景に何度も出会った。
僕に分からないのは、猫好きの人間だからといって、必ずしも猫が瞬時にそれに気づいたり、馴れ馴れしくしていただけるものとは限らないことなのだ。
犬は総じて人間の都合で生きるように品種改良(!?)されているが、太古の昔から猫はそこにゴロニャンと寝そべっていることのみを生業として
存在しているワケなのだから、それはまさに生ける神だと言ってもいいのだ。 |
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| 「お願いだから、そのソファで爪を立てたりなんかしないでちょうだいッ!」 |
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| 猫は我が身の快楽にのみ没頭するから、家という空間の中で最上質の場所を見つけ、
人間にとって最上質の家具などを使って身づくろいをするのがセオリーだ。
そのオコナイにまるで悪意などあるはずもなく、ふにゃ〜と喜びつつ外国製高級ソファーの背もたれ頂点をボロボロにしてくれるのだった。
それは我が家で実際にあったハナシで、ついにソファーにはワイフがどこかで買ってきたペイズリー模様の美しい布地がカバーとして掛けられる。
猫はというと退屈そうに、しかし訝しそうにその布地を眺め、即座に新たな祈りの儀式のように遠慮会釈なく爪立てを行うのであった。
すぐにワイフの口から後悔のコトバ。 |
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| 「ああ、こんなことならもう少し安い生地にしておけばよかったワ」 |
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実際にそれは実行され、次にはテーブルクロス風の無地のグリーンが、さらに続いてオフホワイトの安いカーテン生地がソファー全体を覆うことになる。それぞれの布地がボロボロとなって見るに堪えない姿となるまでの期間。かつて愛着のあったダークグレイのソファーの色合いはすでに過去の映像として残るだけとなり、ソファーへの人間の愛着もぞんざいなものになってくると、猫の態度もやがて変わるのであった。そこがすでに、この家の空間中で最上の場所でなくなったと察知した時から、ソファーの背もたれ頂点の新たなダメージはなくなった。
今、愛猫を亡くした我が家のそのソファーには再びペイズリーの布地が掛けられた。 |