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■第5回 社会の中で必要なマナーを考える1
さて、前回は「自分の犬を知る」ということについて考えてみました。 今回は「犬と暮らす」もう一つの柱である「社会の中で必要なマナーを考える」とい うことを犬にスポットを当てて考えていこうと思います。

前回は、お行儀のよいいい犬に育てることに一生懸命になりすぎて、 もうひとつ大切な「自分の犬を知る」ことを怠ってしまった飼い主さんのお話を書きました。 今回は、その逆のパターンをちょっと考えてみましょう。

小さいころからずっと家族が犬を飼っていたAさん。 結婚して自分も家庭を持ち、子育てにも一段落したので、ずっと待ち望んでいた犬をとうとう迎えることになりました。 家は郊外のまだまだ自然の残るエリアで、犬を飼うにはもってこいの環境でした。
迎えたのは、家族と一緒にいることがとっても好きな犬種であり、子供との暮らしもどうにかうまくやっていけるようでした。 昔から犬を飼っていたので、迎えるにあたり不安もそれ程なく、 Aさんは「犬はしつけなんてしなくても、ちゃんと育つ。」という気持ちでいました。 幸い、多少吠えたとしても近所迷惑になることもなく、 リードをぐいぐい引っ張ってお散歩しても危険なところもなかったのであまり気にもしていませんでした。 そのかわり、もともと犬が好きで、犬との暮らしを誰よりも望んでいたAさんは、 家族の中で一番その犬を理解していて、犬もまたAさんのことが大好きでした。


そんなある日、家族で街にお買い物に行こうということになり、 せっかくだから犬を連れておしゃれなカフェにでも行こう、という計画が持ち上がりました。

ところが、街へ行ってはみたものの・・・犬はそこら中にマーキングはする、 カフェで落ち着くことが出来ず、他の犬に吠えかかることもありました。 人ごみを歩こうにも、犬がぐいぐいと引っ張ってあちこち歩き回ってしまい、 人にぶつからないように歩くのが精一杯のAさんがその日どれだけ疲れたかはいうまでもありません。

犬はいつも通りのお散歩でしていることと同じこと、つまり本能のままに行動をしただけです。 行ったことのない、人や犬がたくさんいる、賑やかなカフェに入ったりもしたのでそわそわしたり、警戒して吠えるのも通常の動向です。

つまり、人や車の多い場所に慣れておらず、またそのような状況でどう行動すればよいか、 という人間社会のマナーを犬は知らなかっただけなのです。Aさんがそういった場面に愛犬を連れて行きたかったのであれば、 それを組んだマナーを事前に教えてあげることが必要なのではないでしょうか?家庭という小さな社会にとどまることなく、 外出する時に犬を連れて出かける人も増えています。それならば、犬を飼っていない人、 犬がきらいな人もいるであろう社会という場所で、どのようにふるまえばよいのか、 きちんと飼い主は教えてあげる義務があるのではないでしょうか?

社会の中で必要なマナーを考える、ということは個人だけの問題ではありません。 たくさんの飼い主さんが意識を高くもって、マナーのよく暮らしていくことで犬を飼っていない人や嫌いな人からも受け入れられ、 結果的に犬が人と暮らしやすい社会になっていくのです。
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