私のコラムも今回が最終回になりました。
今回はウサギによく見られる感染症の中から2つを選んでお話したいと思います。
●パスツレラ症
80年以上前から知られているPasteurella multicida という細菌によるウサギの感染症で、
鼻炎や肺炎などの呼吸器疾患、結膜炎などの眼疾患、中耳・内耳炎、膿瘍、生殖器疾患、乳腺炎、菌血症などを引き起こします。
また、呼吸器などにこの細菌が存在しても全てのウサギが発症する訳ではなく、多くのウサギが無症状のキャリアとなっています。
そして、換気や衛生状態の悪い飼育環境やその他のストレス(過密飼育、他の疾患、栄養不良など)が引き金となって、発症します。
診断には幾つかの方法がありますが、一般には細菌培養によって病原体をつきとめる方法が行われています。
治療には抗生物質の投与を行いますが、最低でも1〜2週間、重篤なケースでは3ヶ月程度、抗生物質を投与し続ける必要がある場合もあります。
また慢性化してしまい治療が困難な場合もあります。
症状のみられるウサギとの接触を避けること、発症の引き金となるストレスを出来る限り減らすことで予防を心がけ、
発症がみられたら直ぐに獣医師による治療を受けることが大切です。
●エンセファリトゾーン症
Encephalitozoon cuniculi という微胞子虫の感染によって引き起こされる病気です。
感染したウサギの尿中に病原体が混入し、それを介して感染が広がるほか、母ウサギから仔ウサギへの感染(垂直感染といいます)も確認されています。
この病原体はウサギの腎臓や脳、中枢神経に病巣を作ります。
多くの場合、ウサギは無症状ですが、運動失調、沈うつ、後躯不全麻痺、斜頸などの中枢神経障害の症状を主に示すことがあります。
有効な治療法は長年の間、知られていませんでした。2000年になって、フェンベンダゾールという薬剤が有効との報告がありました。
しかし、フェンベンダゾールの本症に対する効果も確実なものではなく、その効果を疑問視する意見も多いようです。
ウサギの病気は様々で、6回のコラムでその全てをカバーするのは不可能です。
飼育方法で不明な点があったり、飼っているウサギの小さな体調の変化に気づいたら獣医師に相談することをお勧めいたします。 |
|