今回はウサギの下痢についてお話いたします。
一口に下痢といっても様々ですが、ウサギの下痢には主に下記のようなものがあります。
ウサギの下痢は生命に危険が及ぶほど重い症状に進行するケースも少なくないため、
もしも飼育しているウサギが下痢をしたら、すぐに獣医師に相談することが大切です。
●コクシジウム症
コクシジウムと呼ばれる原虫によって、下痢が引き起こされることがあります。
殆ど無症状のものから血液の混じった水様性の下痢のみられるものまで症状の程度は様々です。
成体ではコクシジウムの感染がみられても通常は無症状ですが、仔ウサギでは重篤な症状がみられ死に至ることも多い病気です。
●粘液性腸炎
本症では、腸から粘液が過剰に分泌され、この粘液が下痢と共に排泄されます。
その他に元気や食欲がなくなったり、水を多く飲むようになったり、体温が下がるなどの症状がみられます。
そして、さらに症状が進むと腸からの粘液が腸内に堆積して便が排泄されなくなります(便秘)。
便秘のみられる症例では自律神経障害による腸の蠕動不全がおこり、その結果、盲腸内容物の堆積がみられることがあります。
本症は生後7〜14週のウサギに多くみられますが、成体でもストレスに起因して発症がみられることがあります。
本症の発症の原因は明らかにされていませんが、ストレスと餌の内容が関与しているようです。
また他の消化管を犯す感染症に併発して本症がみられることもあります。
●腸炎
細菌(大腸菌、サルモネラ菌、クロストリジウム菌、エルシニア菌など)や
ウイルス(ロタウイルス、コロナウイルスなど)による腸炎で水様性の下痢がみられることがあります。
また腸炎は不適切な抗生物質の投与や毒性のある植物の毒によっても引き起こされることがあります。
●腸性毒血症
通常、ウサギの大腸の中には全くみられないか、
みられても極わずかしか存在しない毒素産生菌(クロストリジウム属の菌が主)が餌の変更、離乳、不適切な抗生物質の投与や
(エリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、ストレプトマイシン、ペニシリンなどの抗生物質は腸性毒血症を引き起こし易い)、
他の感染症によるストレスなどにより増殖し、細菌によって作られた毒素によって消化管が損傷し下痢を起こすことがあります。
タール状の下痢や脱水がみられますが、仔ウサギでは下痢がみられる前に死亡してしまうことがあります。
●盲腸便の異常
餌の変更や餌に含まれる繊維の不足、
水分の多い餌を与えすぎたことなどから通常より柔らかいか、時には液状の盲腸便が排泄されることがあります。
また、正常な盲腸便が排泄されていても歯の疾患、脊椎や関節の疾患などが原因で、
盲腸便を食べることが出来なくなってしまった場合、飼い主が食べ残された盲腸便を下痢と誤認してしまうことがあります。 |
|