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■第18回 カメレオンは世界を広げてくれる素敵なパートナー
  さて、カメレオンについて理解と興味が深まったところで私の飼育体験を少しお話したいと思います。
  うちに初めてカメレオンが来たのは突然の事でした。 それまで爬虫類の飼育経験はありましたが、カメレオンはいつか飼いたいと思いながらもなかなか手が出せない存在でした。 一番のネックは何回かお話しているように飼育の難しさです。 ところがある日一人の患者さんからエボシカメレオンを譲ってくれると言う話があったのです。 実は偶然にもその時は2、3ヶ月後くらいにパンサーカメレオンを飼育する予定で環境作りをしていたところだったのです。 その時私は「これも何かの縁」と決め付けてしまったのです。

  そう言った経緯で始まったカメレオンの飼育でしたが、用意していたケージは使わずに病院内で放し飼いをはじめました。
  まずはストレスを考えたのです。幸いそのカメレオンは環境にも直ぐ慣れてくれて病院のあちこちを動き回るようになりました。 (患者さんのいないところ限定です)朝起きて姿を見かけなくても必ずお気に入りの場所に隠れていました。 そのうち天井から下がっている麻酔のホースを一番のお気に入りの場所と決めたようで、その周囲を中心に行動するようになりました。 餌は手からも食べましたし、ペットボトルを切って自作した餌入れからも食べてくれる本当に飼いやすい子でした。 特に面白かったのはお腹がすいてる時にその子の下で何か仕事をしていると私の頭を例の舌で叩いてくるんです。 始めは頭に糞を落とされたのかと思いましたが、横で見ていたスタッフが笑いながら状況を話してくれて謎が解けました。

  カメレオンの魅力にとり憑かれた私のうちカメレオンは気が付けば4匹にも増えていました。 みんな順調に育ってくれ、あの独特のシュールな動きは私にとって癒しそのものでした。 しかし、ある日事件が起きました。一番元気だったカメレオンが急死したのです。
  その日も朝から餌食いもよく普段と変らない一日でした。 ところが昼過ぎの休み時間に「ドン!!」と言う音が鳴り、音の方向へ駆けつけてみるとお気に入りの場所にいたカメレオンが地面に落ちていたのです。 落ちたカメレオンは目を瞑り苦しそうでしたが、しばらくすると又高いところへ上ろうと動き出しました。 ところが上る途中で大きく口を開け何回か深呼吸をしたのち動きが止まってしまったのです。 呼吸はまだしていたので私は酸素吸入の他、緊急処置をしたのですが10分もしないうちにその子は息絶えてしまいました。
  異常に気付いてから亡くなるまで本当に一瞬の出来事でした。 その日の状況から考えても身体の調子そのものが悪かったとは思えません。 恐らく死因は落下事故による物だったと思いますが、生命の儚さに自分の無力さを痛感しました。

  その後も色々な経緯がありましたが、現在は1匹だけですが本当に元気に暮らしています。 今の季節は自然に近い環境で飼育できるので発色も良く餌食いも抜群です。水も雨水を喜んで飲んでいます。 もちろん日陰を作ったりレイアウトも必要ですが、植物自体も育ちやすいので今のうちに冬の準備をしているような感じです。
  爬虫類と言うと敬遠されがちですが、実際飼育してみると本当にはまってしまいますよ。 特にカメレオンは飼育が難しいですがその分を差し引いてもお釣りが来るくらいです。 因みに当院にカメレオンを連れて来院なさっている方は男性よりも女性の方が多いです。 カメレオンに対して十分な時間と愛情を持てる自信のある方は、是非カメレオンワールドの扉を開いてください。
  新しい世界が待っていますよ。
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