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■第11回 モモンガの病気 I
  これまでお話したように、モモンガは大きく分けるとげっ歯類の子と有袋類の子がいます。 げっ歯類の子が罹る病気はハムスターと同様の病気が多いです。また、有袋類 の子が罹る病気も同様の病気もありますが、 まだ判らない点も多く、私自身も日々勉強しながら診療しています。数ある病気の中で私自身が良く診る病気を中心にお話したいと思います。

【消化器疾患】
  まず一番良く見るのが消化器疾患です。特に下痢は多いです。 下痢の原因になっているものは様々ですが、ひどい下痢を起こすと脱水症状を起こして死に至る場合もありますのであなどれません。 程度の軽いものは環境的なストレスや不適切な食事などによって簡単に起こってしまいますので、普段から食事や環境の管理はしっかりとしてあげて下さいね。 次に、重度の下痢を引き起こす原因として内部寄生虫があります。モモンガの場合は原虫類の感染がしばしばみられます。 特にジアルジアやトリコモナス、コクシジウムなどには要注意です。ジアルジアやトリコモナスは比較的駆虫も簡単ですが、 来院時に既に重度の脱水を引き起こして助けてあげることが出来なかったこともあります。 下痢を起こした場合は何日も様子を見るのではなく、まず病院で診察を受けてくださいね。また、コクシジウムは感染しても直ぐに発症する訳ではありませんが、 発症した場合は重症になる事も多く、治療も長期間お薬を投与しなくてはいけません。 コクシジウムは周囲の環境などストレスも引き金になりますので注意してください。

  次に不正咬合も多いです。不正咬合は生まれつきの場合もありますが、飼育し始めてから陥ってしまうケースも少なくありません。 原因としては不適切な食事の他にケージ等を噛んで歯並びがずれてしまったり、歯が折れたりすることがあげられます。 予防は臼歯を使ってすりつぶすような物が入っている食事を与えたり、齧れるような木材を入れたりする事ですが、 もし不正咬合になってしまった場合は完治するケースは少ないので病院で定期的な歯のカットをしてもらって下さい。

  もう一つ、胃内毛球症もたまに見られます。毛づくろいをするとどうしても胃に毛がたまりやすくなります。 その毛に食事がからみ付いて毛玉を作ってしまい詰まってしまいます。 症状は食欲不振などですが、パイナップルの果汁は毛にからんだタンパクを分解する酵素を含んでいますので、飲ませると予防になりますよ。

【呼吸器疾患】
  呼吸器疾患も多い病気です。原因は細菌やウイルスなど色々ありますが、飼育環境の不備でなることが多いです。 人の場合でも風邪が流行っているときに罹る人とそうでない人が居るように、モモンガも日頃の生活スタイルが非常に重要になってきます。

  何よりもまず予防ですが、温度や湿度を常に適切な状態にしてあげてバランスの取れた食事を与えてあげることです。 特に注意が必要なのは冬場の夜の冷え込みや、季節の変わり目の激しい温度変化です。また、保温に気を取られて空気が乾燥し過ぎてもいけません。 環境や栄養は十分に注意してあげてくださいね。

  症状はクシャミや鼻水が見られる子が多いですが、目ヤニや開口呼吸などを伴うケースもあります。 モモンガは人と違って食欲を刺激する一番の要素は見栄えよりも匂いです。 つまり、呼吸器疾患を患って鼻をやられてしまうと食欲が低下して栄養状態も悪くなり最終的には死に至ってしまうこともあります。

  いずれにしてもモモンガは体が小さく、代謝も非常に早いので悪くなる時は本当に1日で重症になってしまいます。 また、悪くなる時は急降下なのに、良くなるのには時間がかかることも多いです。 あれっ?おかしいな?と思った時は出来るだけ早めに病院へ連れて行ってあげて下さいね。
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