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■第6回 ハリネズミの飼育日記
  写真で何度か登場した"デブコング"が我が家にやって来たのは本当に小さなきっかけからでした。
ペットショップで生まれたばかりのハリネズミの子が育児放棄にあっていて、 未熟児状態でかなり危ない!との情報を聞きつけた私は正直なところ好奇心もあって即引き取りますとの返事をしてしまいました。

  やってきた子は毛色が白で目が赤いアルビノの小さな小さな子でした。体重は100gも無く、 大きさは本当に胡桃くらいの大きさで、起きている時は常に食事を与えて食事が終わると脇の下へ潜り込んで寝るというパターンが始まりました。 病院のスタッフたちの手厚い看護も味方してその子は驚くほどのスピードで成長し続けました。 そしてその食べっぷりと成長スピード、そしてまるでミニチュア化した子豚のような容姿からいつしか"デブコング"と呼ばれるようになりました。

  デブコングはとても慣れていたのでいたのであまり針を立てることはありませんでしたが 温度変化など環境にはかなり敏感で冬場の寒い時期には機嫌が悪いことが多かった気がします。 そう言った小さな変化や特徴など本当に様々な事を教えてくれながらデブコングは順調に育っていきました。 そうしているうちに一つ目の事件がおきました。カイセンの発生です。 皮膚が荒れてくるようにかさついてきたので顕微鏡で検査をすると小さな寄生虫が動いているではありませんか。 幸いこの寄生虫は数回の注射処置で完治しました。しかし完治を喜んでいたのもつかの間でデブコングはもっと大きな病気を患っていたのです。

  ある日私はデブコングの顔が少し変形していることに気が付きました。 しかしレントゲンなどで検査をしても少し腫れているだけでその他の異常は見つかりませんでした。 また普段の生活に何も変化も無かったので処置をすることなく状態を見守ることにしました。 その異常の発見からわずか1ヵ月後デブコングは突然物を食べなくなりました。再度検査をすると口腔内に腫瘍が見つかりました。 急遽麻酔をかけて手術に挑んだ私はメスを入れて愕然としました。口腔内だけでなく腹腔内にも直径2センチほどの腫瘍を2つも発見したのです。 1月前の検査ではまったく何も写っていなかったのに!全ての腫瘍を切除して手術は終わりました。 デブコングは麻酔から覚めて少し食事をしてくれましたが2日後に2年10ヶ月と言う短い寿命を終えてしまいました。 そして腫瘍の病理検査結果が届いたのは亡くなってからの事でした。 病名は「骨肉腫」・・・初期段階で手術をしていたとしても治せなかった病気かもしれません。 しかしそれだけの大病を抱えながら最後まで我々を癒してくれたデブコングはその後の私の獣医師としての取り組み方に今も大きく影響し続けています。 これからハリネズミに接する方や現在接している方は一つだけ心に留めておいてください。 代謝の早いこの動物は悪くなる時は驚くほど急速に悪化すると言うことを!
ご家庭でも、このようににストレスをかけずに健康チェックをしてください。
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