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■第8回 ディディエは今(大変身したフォックステリアの話)
 訓練所を辞めようと思ったもうひとつのきっかけである友人の愛犬、 フォックステリアのディディエの話しをさせていただこうと思います。フォックステリアは決して飼いやすい犬では無いという知識を持っていた友人は、 ディディエが5か月を迎えたとき、私が前に努めていた訓練所に彼を預けてくれました。 3日預かり10日飼い主のもとで過ごす、という方法で4か月間訓練に耐えたディディエは、 訓練所では誰もが「こんなフォックステリアは見たことがない!」と驚く程、指示に良くしたがう優秀な犬になっていました。 もちろんリード無しできちんと左側脚側について歩けますし、10m程先にある障害(スタンドにかけられたバー)を飛んで振り向き座り、 指示によって飼い主の足下にきちんと戻る、障害飛越という訓練も、しっかりとこなせる犬に成長していました。 (*ただし、すべて訓練所内でのことです)

 さて、そのように優秀な成績を修め卒業したディディエですが、その後しばらくして友人宅へ遊びにいってびっくり!? そこには、飼い主の指示を無視して座りもフセもせず、家の中を走り回り、散歩では引っ張りまくるディディエの姿があったのでした。 私の仕事に対する疑問は頂点に達しました。そういえば他のお客様の犬たちも、たまに預かりで戻ってくるとちっとも指示に従わなくなっていたり、 復習訓練として改めて訓練しなおす必要がある子がやってきたりで、飼い主さんの元へ戻ってからのことは日頃から疑問に感じていたところでした。 こんなショッキングなこともありました。

 無事卒業したはずのドーベルマンがちっとも言うことを聞かないということで、飼い主に捨てられ訓練所に戻された件です。 そんなことがあってから、自分の仕事に疑問を感じ、インターネットで海外の訓練・しつけ事情について調べていたところ、 飼い主にしつけの指導をしているドッグテック・インターナショナルを見つけたのです。 研修を終え帰国してから、ディディエの飼い主である友人自らの依頼により、友人に真の「飼い主」になってもらうプログラムを実施しました。

 今のディディエの様子をお話しましょう!前は、ドアホンを押すと激しく吠えまくり、ドアを開けると飛びかかって来た彼も、 今では、ドアホンを押してもじっと自分のベッドの上に丸まって、友人の許可が出るまではお客様に飛びかかったりしない、お行儀の良い子になりました。 がんばって忠実にプログラムを実施してくれた友人は、私に感動とこの仕事を始める勇気をくれたのでした。
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