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■第4回 ピラニア ナッテリー
 熱帯魚への興味の有無に関わらず、ピラニアという魚を知らない人はいないだろう。 この魚は色々な探検記、マスコミに登場し、南米アマゾンの野生を語る代名詞のように語り伝えられてきた。 小さな鱗に赤や紫のスパンコールのような輝く色調をまっとた魚で、アマゾン川一帯に生息し20cmほどになる。 生きた鳥や小動物、牛までもあっというまに白骨にしてしまう、どう猛なイメージで知られている。

 そんな彼らであるが、私達の行った現地調査でピラニア釣りをしていた時の事、針が何かに引っかかり取れなくなってしまった。 するとガイドの少年がピラニアだらけの水中にいきなり飛び込み、数十秒後笑顔で無事に釣り針を持って上がってきたのである。 その光景はピラニアのイメージを改めさせるに十分な出来事であった。また、釣り上げたピラニアを同行していた研究生達と共に解剖したところ、 その胃の中には肉片ではなく未消化の木の実が詰まっていた。 肉食として知られている彼らだが時期によっては雑食性を示す事もあるという興味深いデータとなった。

 ピラニアの産卵はカラシンの仲間としてはそう簡単なほうではない。本種は一年半から二年で成熟する。5〜6尾を一緒に飼い、 産卵床としてシュロやサランネットを砂上の中央に石などで固定する。やがて十分に成熟した雌雄はまるでシクリッドの仲間のようにテリトリーを作り、 他の個体を追い払い求愛行動を始める。雄が雌の体をあの鋭い歯でつつくようになる。時には雌の鰭を噛み切ってしまうこともある。 この行動は夕方から激しさを増し、産卵は夜中近くに行われることが多い。
卵数は初産で400個ほど、大きな経産魚では3000個以上にもなる。 そして通常ばらまき型の産卵をするカラシンの仲間の中でピラニアは雄が卵仔魚を守るという強い父性愛の持ち主だということも近年当研究所のデータから判ってきた。
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